聖地で玉砕
2008年 12月 21日
21 Dec08(sun)
神奈川県内にあまたある坂道山道峠道。
この中で特にそのスジで「聖地」と崇め奉られているのがヤビツ峠なのだ。
過日自転車仲間での忘年会にて、いきなり決まったのが私にとっても初となる「ヤビツ巡礼」行。
なんとか家族の許可も取り付け、朝7時過ぎにそそくさと出発。
出発時は冷んやりしていた空気も、時間とともに暖かくなり、そのうち走っていると暑いくらいの気温になってくる。
10時10分の集合ポイント(246号の善波付近)到着は、楽勝な時間ではあった。
・・・向かい風さえ強くさえなければ。
特に少しでも足を残しておこうと、平坦な134号線をルートに選択したのがまずかった。
踏めども踏めども時速は20km/hを超えず、横風向かい風トラック風にも煽られて、何度も休憩しながらよろよろと10時ジャストに到着。
ここまで自宅から50km弱、既に足も残り僅か、といった感じ。
コンビニで補給食なぞを摂りながら、しばし待つ事数十分。
途中の集合ポイントで合流し人数を増やしてきたメンバーが到着。
皆、“暖かい冬用の自転車専用ウエア”に身を包んだ(つまりピッチピチの服)総勢8名の「坂バカさん達」が揃った。
ここから一気にヤビツ峠....の前に、約2km善波峠が待ち構えていのだが、これをそれほど難なくクリアすると、すぐにヤビツ峠入り口となる名古木(ながぬき)交差点に。
ここが聖地への入り口(=タイムトライアルの出発地点)となる。
アタックの順は「遅い人から」(自己申告制)。
ま、当然私なんかは最初の出発組になるわけです。(笑)
659mの高低差を、12kmほどの道のりでじっくり登る。
これだけでもう未知の世界。
同じ最初出発組の方は(経験者)、「目標60分」とか仰っている。
ちょっと待て、冷静に考えると、普通に街なかを走っていて平地でも60分も足を付かずに走るなんて経験ないぞ。(必ずどこかの信号で止まるので)
それを常に踏んでなきゃいけない坂道で、ですか?
・・・一瞬嫌な予感が体中を突き抜ける。
走り始めて5分。
「後続隊その1」の2台がまだ最初の難関にも差し掛かるずっと手前で颯爽と抜き去った。
ちょっと、スタート早すぎるんではないですかい?
(それだと頂上で相当待つ事になりますよ)
まだ若干余裕のある私は、これを機に先発4人の最後尾から一気に前に出て1人そのまま飛び出す。
・・・今に思えばこれが最初の間違いだった。
しばらくヒーコラと登っていくと、噂に聞く最大の難関、蓑毛までの10%の劇坂。
「ここを超えさえすれば、あとはそれほど急ではないですよ」との事前のブリーフィングの言葉を頼りに、エイコラッと登る。
しかし、12月だというのに暑い。
冬用のジャージが作戦失敗だったか。
途中、MTBでのんびりと登っている3人の団体さんを「失礼します~」と爽やかに(な振りして)抜き去った後はずっと一人旅。
つづら折の道から時折見える下界の景色を見るにつれ「ああ、こんなに登ってきたのだなぁ。」と感慨に浸る余裕がまだここまではあった。
(但し歩くようなスピードで登っているのだけど)
もうすぐ菜の花台というところで、「お疲れ様です~」と元気良く抜き去っていったローディ2台。
良く見ると最後発のお二人ではないですかい!
この坂道、なんでそんなスピードで登れるのっすか?
菜の花台までくれば、もう残りは僅か、とか。
しかしここまでで既に40分かかっていた。
こりゃ1時間切りなんて夢の話だ。
案内図を見る振りして一瞬だけ足を付いたのはここだけの話です。(笑)
ここで少し休んで、水分補給と多少の体力の回復を待った方が良かった、というのは初ヤビツの大いなる反省と次回への課題。
ここから先が長いの何の。
確かに勾配はそれほどきつくないはずなのだが、既に足も完全に売り切れ、一歩一歩踏み下ろすのもやっとで、心拍は180以上、本当に時速5~6km/hほどしか出ない。
12月とは思えないほどの日差しが、じりじりと顔を焼いている。
目に入った汗も拭えないので、アイウエアもとっくに外したまま。
このあたりから汗が滝の様に流れ出し、それでもバランスを崩して倒れきってしまいそうで、ボトルに手を出す事すら出来ない。
いつ終わるかも分からない上り坂、何度くじけそうになったことか。
こうなるともう、周りの景色を見ても何も代わり映えしないだけで、感動も記憶もすっかり無い。
それでもさらに延々と上り坂は続く....。
どのくらい時間が経ってからだろうか、1人のローディが上から下りてきた。
良く見ると同行のうちの1人。菜の花台手前で颯爽と抜き去っていった彼である。
「て、てっぺんはまだですかぁ。」と聞くと、
「もうすぐそこですよ!!!」と。
折り返して一緒に登ってくれた。
もしかしてわざわざ迎えに来てくれたのかな?
その通りに、間もなく見えてきたのが良くHP等で見かける「ヤビツ峠」の看板。
そしてとっくに登ってきている「後発隊」の方々。
良く見ると集合ポイントにはいなかった(単独でここまで登ってきたらしい)もう1人(女性)まで。
かくて、私の初ヤビツ挑戦は終わったのである。
ゴール地点にたどり着いた私の顔面は蒼白で、周りから真剣に心配されたほど。
そりゃ、水分摂るのも忘れていましたから。
記録64分。(涙、遅っ)
1時間切れなかった....。
ゴール直後の率直な感想は。
「お願いです。少し一人にしておいてください。ほっといてください。話しかけないでください。」
正直、意識朦朧といった感。
水分補給(思えば全くしなかった)と、ペース配分のミスが最大の失敗だったかな。
よーし、次回こそ。(違
これが良くブログ等で見かける写真。
とりあえず「登りきったんだぞぉ!」という栄光の証明にもなる。(いや、タイムは別として)
<ルート追加>
走行距離、127km。
しかしまあ、われながら良く走ったと。
(ちなみに帰りは気持ちの良い追い風で、海岸線を35km/hmの巡航(但し一瞬だけ)でした。)
詳細ルートはこちらで。
神奈川県内にあまたある坂道山道峠道。
この中で特にそのスジで「聖地」と崇め奉られているのがヤビツ峠なのだ。
過日自転車仲間での忘年会にて、いきなり決まったのが私にとっても初となる「ヤビツ巡礼」行。
なんとか家族の許可も取り付け、朝7時過ぎにそそくさと出発。
出発時は冷んやりしていた空気も、時間とともに暖かくなり、そのうち走っていると暑いくらいの気温になってくる。
10時10分の集合ポイント(246号の善波付近)到着は、楽勝な時間ではあった。
・・・向かい風さえ強くさえなければ。
特に少しでも足を残しておこうと、平坦な134号線をルートに選択したのがまずかった。
踏めども踏めども時速は20km/hを超えず、横風向かい風トラック風にも煽られて、何度も休憩しながらよろよろと10時ジャストに到着。
ここまで自宅から50km弱、既に足も残り僅か、といった感じ。
コンビニで補給食なぞを摂りながら、しばし待つ事数十分。
途中の集合ポイントで合流し人数を増やしてきたメンバーが到着。
皆、“暖かい冬用の自転車専用ウエア”に身を包んだ(つまりピッチピチの服)総勢8名の「坂バカさん達」が揃った。
ここから一気にヤビツ峠....の前に、約2km善波峠が待ち構えていのだが、これをそれほど難なくクリアすると、すぐにヤビツ峠入り口となる名古木(ながぬき)交差点に。
ここが聖地への入り口(=タイムトライアルの出発地点)となる。
アタックの順は「遅い人から」(自己申告制)。
ま、当然私なんかは最初の出発組になるわけです。(笑)
659mの高低差を、12kmほどの道のりでじっくり登る。
これだけでもう未知の世界。
同じ最初出発組の方は(経験者)、「目標60分」とか仰っている。
ちょっと待て、冷静に考えると、普通に街なかを走っていて平地でも60分も足を付かずに走るなんて経験ないぞ。(必ずどこかの信号で止まるので)
それを常に踏んでなきゃいけない坂道で、ですか?
・・・一瞬嫌な予感が体中を突き抜ける。
走り始めて5分。
「後続隊その1」の2台がまだ最初の難関にも差し掛かるずっと手前で颯爽と抜き去った。
ちょっと、スタート早すぎるんではないですかい?
(それだと頂上で相当待つ事になりますよ)
まだ若干余裕のある私は、これを機に先発4人の最後尾から一気に前に出て1人そのまま飛び出す。
・・・今に思えばこれが最初の間違いだった。
しばらくヒーコラと登っていくと、噂に聞く最大の難関、蓑毛までの10%の劇坂。
「ここを超えさえすれば、あとはそれほど急ではないですよ」との事前のブリーフィングの言葉を頼りに、エイコラッと登る。
しかし、12月だというのに暑い。
冬用のジャージが作戦失敗だったか。
途中、MTBでのんびりと登っている3人の団体さんを「失礼します~」と爽やかに(な振りして)抜き去った後はずっと一人旅。
つづら折の道から時折見える下界の景色を見るにつれ「ああ、こんなに登ってきたのだなぁ。」と感慨に浸る余裕がまだここまではあった。
(但し歩くようなスピードで登っているのだけど)
もうすぐ菜の花台というところで、「お疲れ様です~」と元気良く抜き去っていったローディ2台。
良く見ると最後発のお二人ではないですかい!
この坂道、なんでそんなスピードで登れるのっすか?
菜の花台までくれば、もう残りは僅か、とか。
しかしここまでで既に40分かかっていた。
こりゃ1時間切りなんて夢の話だ。
案内図を見る振りして一瞬だけ足を付いたのはここだけの話です。(笑)
ここで少し休んで、水分補給と多少の体力の回復を待った方が良かった、というのは初ヤビツの大いなる反省と次回への課題。
ここから先が長いの何の。
確かに勾配はそれほどきつくないはずなのだが、既に足も完全に売り切れ、一歩一歩踏み下ろすのもやっとで、心拍は180以上、本当に時速5~6km/hほどしか出ない。
12月とは思えないほどの日差しが、じりじりと顔を焼いている。
目に入った汗も拭えないので、アイウエアもとっくに外したまま。
このあたりから汗が滝の様に流れ出し、それでもバランスを崩して倒れきってしまいそうで、ボトルに手を出す事すら出来ない。
いつ終わるかも分からない上り坂、何度くじけそうになったことか。
こうなるともう、周りの景色を見ても何も代わり映えしないだけで、感動も記憶もすっかり無い。
それでもさらに延々と上り坂は続く....。
どのくらい時間が経ってからだろうか、1人のローディが上から下りてきた。
良く見ると同行のうちの1人。菜の花台手前で颯爽と抜き去っていった彼である。
「て、てっぺんはまだですかぁ。」と聞くと、
「もうすぐそこですよ!!!」と。
折り返して一緒に登ってくれた。
もしかしてわざわざ迎えに来てくれたのかな?
その通りに、間もなく見えてきたのが良くHP等で見かける「ヤビツ峠」の看板。
そしてとっくに登ってきている「後発隊」の方々。
良く見ると集合ポイントにはいなかった(単独でここまで登ってきたらしい)もう1人(女性)まで。
かくて、私の初ヤビツ挑戦は終わったのである。
ゴール地点にたどり着いた私の顔面は蒼白で、周りから真剣に心配されたほど。
そりゃ、水分摂るのも忘れていましたから。
記録64分。(涙、遅っ)
1時間切れなかった....。
ゴール直後の率直な感想は。
「お願いです。少し一人にしておいてください。ほっといてください。話しかけないでください。」
正直、意識朦朧といった感。
水分補給(思えば全くしなかった)と、ペース配分のミスが最大の失敗だったかな。
よーし、次回こそ。(違
これが良くブログ等で見かける写真。
とりあえず「登りきったんだぞぉ!」という栄光の証明にもなる。(いや、タイムは別として)
<ルート追加>
走行距離、127km。
しかしまあ、われながら良く走ったと。
(ちなみに帰りは気持ちの良い追い風で、海岸線を35km/hmの巡航(但し一瞬だけ)でした。)
詳細ルートはこちらで。
by strout
| 2008-12-21 20:00
| じてんしゃ